読了

敗因と

敗因と

おもしい。

中田英寿ジーコがイタリア語で仲良く会話しているのを見るたびに、「えこひいきじゃないか」
と勘ぐる選手が出てきた。
さらに溝を生み出す決定打となったのは、彼らの目に、かつてないほど中田英寿の力が衰えてい
るように映ったことだった。
〔……〕
中田英寿に対して、否定的な空気が広がっていった。
シュート練習で、鋭いパスがくる。パスのスピードは受け手の気持ちを逆なでするほど速く、
さらに目の前でショートバウンドする。まわりで見ているチームメイトはささやいた。
「また、″キラーパス″がきたな」
相手のDFを殺すのではなく、仲間を殺すパス──。
チームでは″ヒデ不要論″が噴出し、何人かの選手は「ヒデは終わった」とささやきあった。

とか(pp.97-98)。