読了
- 作者: 鈴木宗男,佐藤優
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/09/22
- メディア: 単行本
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おもしい。
佐藤 小寺さんの次のロシア課長になった渡邉正人さんは、能力とモラルの高い役人でした。東郷さんも
渡邉さんを買っていて、「小寺は能力がないから替えた」とはっきりいっていました。事実、東郷さんは
「小寺は能力がない」という内容の文書を人事課長の斎木さんに出しています。しかも、東郷さんが厳しいのは、
小寺さん本人を呼んで、「君も一生懸命やっているのはよくわかるが、平時ならともかく、いまのような
重要なときに君では能力が足りない」と直接いい渡すところなんです。
鈴木 東郷さんは一見優しそうに見えるから部下にナメられやすい。私は、東郷さんが条約局長や欧亜局長時代に、
「なんで局長のあなたが部下の課長をちゃんと指導できないんだ」といったことがありますよ。しかし、同時に
能力主義者なので、人を傷つけることを平気でいってしまう。
佐藤 〔……〕「お前は能力がない」という引導の渡し方をするのは、いかにも東郷さんらしい。厳しいですね。
東郷さんは、かりに自分が「能力がない」といわれても、「それはすみませんでした」と受け止められる人なんです。
ただ、能力があるからそんなことをいわれたことがないだけです。
「能力」か…。